お直し

よそモノから「MY着物」へ

縁あって譲り受けた着物やリサイクルショップで見つけた掘出し物が、そのままで着られるのはとってもラッキー✌️ですね。

しかし、大きさが自分と合わない、裏地が古びている等でそのままではちょっと着にくいな…という事も。

そんな「着たいけれど、このままではイマイチなよそモノ」は少し手間をかけて、自分に合う寸法や仕様に調整することで、思い立った時にパッとためらわずに着られる、お気に入りのワードローブ・「MY着物」にすることが出来ます。

たてやでは、寸法や仕様など、着物の「かたち」のお直しを各種承っております。

このページでは、たてやで対応しているお直しの内容を種類別にご紹介し、ご自分で「希望の様に直るだろうか?」とご検討される際に役立つ、お持込み前のセルフチェックポイント(主に寸法を大きくするお直しについての)も載せていますので、ご参考になさってください。

仕立て替えも

なお、部分的なお直しではなく、仕立てを一旦全て解き、改めて着物や羽織などに作る「仕立て替え」も承っております。

例えば、譲り受けた着物をMYサイズにしたい・着物を羽織にしたい・羽織を帯にしたいなどのご希望の場合は、個別に対応させて頂いておりますのでお問合せください。

着物のお直しの種類を、大きく2つに分けてご紹介します。

[1]寸法を変える

短いところを伸ばしたり、狭いところを広げたり、逆に長いところを詰める(短くする)といったお直しです。

寸法を大きくする・広げる場合は元の縫い目や折り目が出るので、出来る限り跡を取ります。

また生地の丈や幅が足りなかったり、着物が全体的に変色していて出した部分(今まで隠れていた生地)が目立ったりと難しいケースもありますが、継ぎ足しや色ハケなどのご提案もさせて頂きます。

[2]仕様を変える

袷の着物を単衣にしたり、衿の形を変えたり、裏地を取り替えたりといったお直しです。

全体を解かずに部分的な作業で直す場合仕立てを全部解いて作り直すケースは「仕立て替え」のページでご案内します。

こちらのページでは、全体を解かずに部分的な作業で直す場合をご案内しております。

※長着(きもの)以外の長襦袢や羽織・コート類も同様に対応しているものがあります。

※記載の料金は全て目安の基本料金です。いくつかを同時に直すこともよくあり、着物の状態もそれぞれに違いますので、お品物を見せて頂き個別にお見積りをいたします。

※たてやでは着物の「かたち」を変えるお直しを承っております。シミ抜きや洗い、紋入れ等をお直しと合わせてご相談頂いた場合は、各専門業者に外部委託となります。

[1]寸法を変える

  1. 裄直し
  2. 身丈直し
  3. 身幅直し
  4. 袖丈直し

肩から腕にかけての幅を裄(ゆき)といい、一般に腕が長めの方は昔の着物だと短く、手首が大きく出てしまいます。また小柄な方だと着物が長すぎて困る場合もありますね。

〈裄を狭める〉

寸法を小さくする場合は余計な分を縫い込むので、基本的にどんなものでも直せます。

〈裄を伸ばす〉

幅を広げる場合は、生地が表裏とも縫い込まれていて出せるか、変色がないか、訪問着などは染め柄が切れていないかなどを調べ、必要な分を出します。

〈3種類の方法〉

①袖の幅だけ、あるいは肩(身頃)の幅だけ直す

②袖と肩の幅両方を直す

③袖付け部分とつながっている脇縫いからほどき、袖と肩の幅両方を直す

元の寸法や希望の仕上がり寸法などによって①〜③の方法を使い分け、料金もここで異なってきます。

【セルフチェックポイント】※裄を伸ばしたい場合

袖が付いている肩山のところで、触ってみて縫い目の両側に縫い込みがあるか見てください。

単衣なら、裏返すと縫い込みは見えます。袷の着物は、外から触るか裏返して透けている様子で、ある程度は確認ができます。裏地はともかく表地に縫い込みがあれば、ひとまず直せる可能性がありますのでご相談ください。

縫い込みがないがどうしても伸ばしたい場合は、共生地を継ぎ足す方法もあります。料金がプラスになりますがご検討いただけます。

※長襦袢・羽織・コートも同様です

【料金の目安】

裄を伸ばす 袷/3,500〜5,000円 単衣/3,000〜4,500円

着物の身丈=肩山から裾までの長さを調整します。

〈身丈を詰める(短くする)〉

裄直しと同様、寸法を小さくする場合は余計な分を縫い込むので、基本的にどんなものでも直せます。

〈身丈を伸ばす〉

身頃などの各部位に縫い込みがあればその分を伸ばすことが出来ます。袷の着物の場合は裏地も縫い込まれているかなどを確認し、必要な分を出します。

〈方法〉

身頃の「内揚げ(うちあげ)」と呼ばれる縫い込みを解いて寸法を直し、その身頃の丈に合わせて衿などの部位を付け直します。

着物の中央部から縫い直す比較的大がかりな作業で、他のお直しと合わせる場合などは仕立て替える方が良いケースもあります。

【セルフチェックポイント】※丈を伸ばしたい場合

女物・男物とも、帯を締める位置の身頃に縫い目があるか見てください。

前身頃と後ろ身頃の両方に縫い目があるものは、内揚げがされているので伸ばせる可能性があります。

縫い目のあたりで生地が重なっていますが、その重なり分が縫い込みです。単衣の着物だと裏からはっきり重なりが見えます。裏地はともかく表地に縫い込みがあれば、ひとまず直せる可能性がありますのでご相談ください。

縫い込みがないがどうしても伸ばしたい場合は、共生地あるいは別生地を継ぎ足す方法もあります。その場合は全て解いてからの「仕立て替え」としてご検討いただけます。

※長襦袢は同様です

⭐︎羽織・コートの身丈直しについて

羽織ものは着物と違って内揚げを作りませんが、他の方法で縫い込まれている場合があり、身丈を伸ばせる可能性はあります。セルフチェックは難しいので、色ヤケなど全体の傷み具合のみ確認をしてご相談ください。

【料金の目安】

身丈を伸ばす  袷/11,000円〜 単衣/8,000円〜

身丈を詰める  袷/9,000円〜 単衣/6,000円〜

訪問着の裄出し・身丈出し

元の状態(上2枚の画像)

お直し後:袖付けの部分と身頃の内揚げ(矢印:胴にある横方向の縫い目)部分で寸法を出しました。内揚げは全部出す場合と、必要な分だけ出す場合があります。

腰周りを中心に、身頃の幅(身幅)を調整します。

自分用に誂えた着物でも、その後体型が変わって合わなくなってしまう事がありますね。

〈身幅を狭める〉

裄直しと同様、寸法を小さくする場合は余計な分を縫い込むので、基本的にどんなものでも直せます。

〈身幅を広げる〉

反物の幅の範囲で基本的にどんなものでも直せますが、訪問着や留袖など絵羽模様の着物は柄の染められている限りしか出せない場合もあります。

裄直しと同様裏地も表地と同寸で出せるか、変色がないかなども確認します。

〈方法〉

身幅は基本的に脇の部分を縫い直します。

背中心から脇縫いまでの後ろ幅と、前身頃の幅を調整します。

・脇縫いとつながっている袖の付け直しから行う

・袖付けの下から腰周りだけを広げ、裾すぼまりに仕上げる

など、元の寸法や希望の仕上がり寸法などによっていくつかの方法を使い分け、料金もここで異なってきます。

【セルフチェックポイント】※広げたい場合

全体が色ヤケしていていると、幅出しをした部分が目立つことがあります。全体のヤケがひどいものはご注意ください。

カジュアル着物や色無地などは基本的にどんなものでも直せます。

訪問着や留袖などの絵羽もの(縫い目をまたいで染め柄がつながっている模様の着物)は、確認が難しいので全体のヤケだけ確認してご相談ください。

※長襦袢・羽織・コートも同様です

【料金の目安】

身幅を広げる 袷/7,000円〜 単衣/4,000円〜

身幅を狭める 1,000円引き

袖の長さを調整します。

洋服でいう袖丈は和服の袖幅にあたり、裄も「長い/短い」と言うので幅と丈を混同しやすいのですが、袖のタテ方向の長さを袖丈と言います。

着物によって袖丈がバラバラだと長襦袢や羽織ものと合わなかったり、組合せが限られたりと都合の悪いこともあり、できれば揃っているほうが使いやすいところです。

〈袖丈を詰める(短くする)〉

寸法を小さくする場合は余計な分を縫い込むので、基本的にどんなものでも直せます。袖の縫い込みに関しては余計な分は裁ち切ることもあり、事前に確認をします。

また付け下げや訪問着などで袖にポイント柄があるものは、丈直しで柄が切れたりしないかを確認します。

〈袖丈を伸ばす〉

袖の裾部分にある縫い込みを解いて寸法を出します。袷の着物は裏地も縫い込まれているか確認します。

これも色ヤケがひどい場合、出したところの色が違ってしまいますが、着ると袖の裾部分はあまり目立たないのでそのまま使って頂く事が多いです。

〈方法〉

袖の裾部分と周囲を縫い直します。

【セルフチェックポイント】※丈を伸ばしたい場合

袖の裾部分に縫い込みがあるか、外から触ってみてください。単衣の着物は裏返すと見えます。

袷の着物は裏地も縫い込まれているか確認しますが、袖丈に関しては「足りなかったら継ぎ足す」というケースはまずなく(費用対効果の点ですかね)、縫い込みの限りで直します。大抵の着物には少し伸ばすだけの縫い込みはされていますので、ご相談ください。

※長襦袢・羽織・コートも同様です。

【料金の目安】

袖丈を伸ばす  袷/2,500円 単衣/2,000円

袖丈を詰める  500円引き

[2]仕様を変える

  1. 袷→単衣の着物に変える
  2. 衿の仕様を変える
  3. 裏地の取り替え
  4. 男物↔︎女物

※印で補足が無いものは、主に着物と女物長襦袢が対象です。

袷の着物の裏地を外し、表地の縫い目をそのままに単衣仕立にするお直しです。

慣例では6・9月のみに用いるのが単衣仕立ですが、温暖傾向と暖房や防寒肌着などの普及で袷よりも単衣の方が快適な時季が延びたのか、ここ数年ご依頼が増えてきたお直しです。

また、裏地だけが擦り切れや黄変してしまったものを単衣にしたり、胴裏だけを外して胴抜き仕立にする事もあります。

表地はそのまま着用する事になるので、全体的に汚れていなく寸法もあまり大きく外れていない着物が向いています。

単衣にする途中で部分的に寸法を直したり、衿をきれいに作り替えたりする事もできます。

【料金の目安】

(バチ衿仕上り)  10,000円〜

⑴広衿↔︎バチ衿

女物の着物には、着る時に幅を折る「広衿」と、折らずにそのまま着付ける「バチ衿」の2種類があり、単衣・袷に関わらずお好みで仕様を変える事が出来ます。

バチ衿を広衿にする場合は裏衿が必要です。(お持込み又は当方で購入も可)

⑵着物の衿を作り替える

汚れやすく、また目立つ部分でもある衿は大抵の着物は二重構造になっており、表面が汚れてきてシミ抜きなどでも落ちなかった時には、作り替えて付け直す方法できれいに出来る場合があります。

元の仕立や汚れの具合などでいくつかの方法を使い分けます。

⑶広衿の裏衿を取り替える

単衣の着物で、たまに裏衿だけが濃い黄色に変色してしまったものが見かけられます。

表地に移ってしまう恐れもありますので、気になる場合は裏衿のみを新しく付け替えます。

⑷長襦袢の衿を付け替える

身頃は問題がないのに、衿(半衿が掛かっている土台の方の衿)だけが黄変してしまったものや、広衿をバチ衿にしたいなど、衿だけを新しいものに付け替えます。

衿は当方で購入も出来ます。また半衿の付け替えも可能です。

【料金の目安】

⑴バチ衿→広衿 (生地代別)単衣/4,000円

⑵着物の衿作り替え 単衣バチ衿仕上り/4,000円

⑶広衿の裏衿取り替え(生地代別) 単衣/3,000円

⑷長襦袢の衿付け替え バチ衿で衿代込み/4,500円

 半衿付け(生地代別)1,000円 他のお直しと同時で700円

擦り切れや経年のシミ・汚れ、色が合わないなどの都合で袷の着物の裏地を取り替えるお直しです。

女物の着物は、裏地が八掛(裾回りと袖口など色が付いている生地)と胴裏(胴体部分の裏地で主に白色)に分かれており、どちらかだけまたは両方を取り替えられます。

新しい裏地はお持込みもしくは当方でもご用意出来ます。

また、袷の着物だけでなく、浴衣や単衣のお尻周りを補強する居敷当てをつけたり、外したりする事もできます。

※羽織・コートの裏地取り替えも出来ます。

【料金の目安】

胴裏か八掛どちらかを取り替え (生地代別)バチ衿仕上り 15,000円

裏地両方を取り替え (生地代別) 広衿仕上り 20,000円

浴衣に居敷当てを付ける (生地代別)3,000円

男物の着物を女物に直して着たい場合(又はその逆)、身幅などが大きく外れていない場合は部分的なお直しで出来る場合があります。

袖付けの下辺りと衿の形、ほか細部に男女差があり、寸法を変えないのであればこの部分のみを直します。

寸法も全然合わない場合は、解いて作り直す「仕立て替え」をおすすめします。

【料金の目安】

男物→女物 単衣バチ衿仕上りで簡単な直しのみ/4,000円

種類別に詳しくご紹介すると、ちょっとしたボリュームになってしまいました。

最後までお読みくださりありがとうございます。

疑問に思われていた事が少しでもはっきりしてきましたでしょうか?

 ✳︎

たてや・坂口にとって、この着物のお直しの仕事は、真っさらな反物からのお仕立てとは少し雰囲気の違う作業です。

どう言う事かと言いますと、

新しい反物からの仕立てはプロセスが単純で、シンプルにきれいな仕上がりを目指して作るだけです。

それとは違い、出来上がっている着物を直す作業は、まず解いて元の仕立の様子を見ることから始まります。

ひと様の縫ったものなので自分の仕立て方とは違う事がほとんどですし、着用シワや経年での崩れや汚れもある中で、仕立がチグハグにならない様に、そして必要なだけの手を加えて、すっきり着られる着物に仕上げます。

必要な所だけを縫い替えるにも、部位によって適切な順序があって、解いてから改めて縫うか、縫い直しをしてから元の縫い目を解く方が良いか等や、寸法の計算をしたり、その合間に元の折り目や筋を消したりと、工程が複雑でたくさんあり、簡単に言いますと「手間がかかる」=難しいのです。

「直しものほど難しいものは無い。」

和裁を教わった先生がいつも仰っていたこの言葉をよく思い出します。

あまり「大変なんですよ」とは言いたくないのですが、それなりにかかってしまう料金にご納得頂きたい気持ちもあり、こうした思いを載せています。

難しいですけれども、しない訳にもいきません。

「直してでも着たい」と思う着物にはご依頼主様にとって何らかの魅力が必ずあり、それは元の持ち主の方との思い出が胸に温かいと言う事であったり、好きな生地の風合いや文様であったり、特にそれが現在では生産されていないものであったりと、趣きは様々だと思います。

お一人おひとりのご相談を伺って、色々な旅を経てこの着物はたてやの作業場にやってきた、という流れを思うと、それは他でもなく「これから気持ち良く着るため」です。

気持ち良く、心豊かに暮らしたい。

であるならば、お受けしない訳にはいきません。

お直しは心意気。心豊かに暮らせます様に、そのお手伝いが出来ているのだと嬉しく思いながら、この仕事をさせて頂いています。

ご相談は随時受け付けしていますので、お心が決まった方も、もう少し具体的な見積もりで検討したい方も、お気軽にご相談ください。

〜最後までお読み下さり、ありがとうございました。〜

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